「ヒトラー政権と科学者たち」(A. D. バイエルヘン著/常石敬一訳)読了

A. D. バイエルヘン著「ヒトラー政権と科学者たち」(岩波現代選書NS・1980年)を読みました.

K先生の大学院講義資料の中で参考文献として挙げられていたもので,既に絶版となっていますが,アマゾンで(100円+送料)で入手できました.

ヒトラー政権下で,当時の科学技術の最前線にいたドイツの物理学者達がどのように考え,行動したのかを,残された資料やインタビューに基づいて検証したもので,科学者等の専門職業人が陥りがちな功利主義的行動に警鐘を鳴らす内容となっています.

特に,ヒトラーが権力を握った1933年にゲッチンゲンで起こった,ユダヤ人研究者の追放の顛末をまとめた第2章は印象に残っています(この後,ボルン,クーラント,フランクは公職を追われ,亡命することになります).ゲッチンゲンにはこれまで3度訪れる機会があり,馴染みのある場所だったので,一層深い感慨を覚えました.